西武鉄道の「迷惑図絵」シリーズは、鉄道マナーの向上を目指したユニークなキャンペーンで、多くの注目を集めています。このシリーズは江戸時代の浮世絵や鳥獣戯画をモチーフにした和風のデザインが特徴で、鉄道内での迷惑行為をユーモアを交えてわかりやすく伝えています。「歩きスマホ」や「座席の詰め方」、「駆け込み乗車」など、日常的なマナー違反をテーマにしたポスターは、それぞれの行為に適した印象的なフレーズが添えられ、視覚的なインパクトと親しみやすさを兼ね備えています。シリーズはSNSでも広まり、若い世代を中心に話題となることで、マナー啓発の成功例として国内外から評価されています。
特に、「迷惑図絵その九」では、これまで取り上げられたテーマを振り返る総括的な内容が展開され、3年にわたるシリーズの締めくくりとして、多くの人に感謝を伝える内容となりました。この最終章では、過去のキャラクターたちが再登場し、乗客への感謝と今後も続く協力への期待が表現されています。日本の伝統文化を活用しながら現代の課題をユーモラスに解決するこの試みは、鉄道利用者がマナーを楽しく学び、自然と意識を高めるきっかけを提供しています。
しかし、このうちの一つである「電車内で騒がないように」というテーマの迷惑図絵が、SNSで話題になる一方で炎上を招く事態も発生しました。このポスターでは騒いでいる猿が描かれていますが、これを外国人観光客、特に黒人を指していると紹介した投稿があったため、SNS上で議論を呼びました。実際には、西武鉄道の迷惑図絵が特定の人々を対象にしたものではないのですが、近年、電車内や路上で迷惑行為を行い、その様子をSNSに投稿する外国人観光客が話題になっていた背景もあり、誤解が広がったものと考えられます。
この問題を受けてSNS上に寄せられたコメントの一部をご紹介しますのでご覧ください。
海外の反応
🙍🏻♂️ 日本人は何が起きているか分かってるんだ。一番いいのは、彼らが素晴らしいアートでそれを見せることを恐れていないってことさ。私は日本人が大好きだよ。
👨🏻💼 面白いね、黒人観光客が電車で暴れているって。
🙍♀️ 文化について学ばずに旅行して、その文化を尊重しない人々に怒りを感じるわ。
👨🏻💼 あれは猿であって、黒人じゃないよ。
👨🏻💼 同じ画像をオンラインで見つけたけど、サッカーボールが描かれていたよ。これはフォトショップで加工されたものだと思う。
👨🏻💼 もしそう見えるなら、それは恐らく君たちが日常的に全く理不尽で無礼な振る舞いをしているからだよ。恥を知れ!
👩🏻💼 この広告は外国人乗客だけでなく、日本人にも向けられているのよ。
👨🏻💼 ポスターの中の「猿」は、私やあなたかもしれないんだ。
私たちが日本の電車の中でうるさい人になった時にね。
👨🏻🏫 ファクトチェックは面白いね。
でも私たちは皆、動画を見てきたさ。
これをやっているのは黒人なんだ。
👩🏻💼 あなたも私も、電車の中でうるさい人になれば、このポスターの「猿」になり得るのよ。
🙍🏻♂️ ワオ、みんな差●的すぎるよ。
明らかにこれは、ペットの猿を連れて電車に乗らないでくださいと伝えているんだ。
猿は電車の中でサッカーをしてしまうからね。
みんな、良くないよ!
✨👩🏻💼 こういうのはアジアでは一般的なのよ。ただの一般的な行動の注意喚起よ。
👨🏻💼 みんな、公共の場で猿のように振る舞えば、人種に関係なく猿なんだよ。
素晴らしい日本!
👨🏻💼 公共の場で猿のような行動をして家族に恥をかかせるなということだよ。
🙍🏻♂️ 文明社会でちゃんとした行動ができないんだね。アメリカは特にニューヨーク、シカゴ、フィラデルフィア、LAのような都市部で最も問題があるよ。ロンドンも酷いね。日本が私たちのようにならないことを願うよ。
🙍🏼♂️ あの猿たちは観光客のことじゃないと思うけどね。
👨🏻💼 電車内で日本人も観光客も、その日や場所によって同じように振る舞うのを見てきたよ。
🙍🏼♀️ どの国に行く前でも、その国を訪れている間に期待されることについて、センターに行って聞くべきだわ。
私はアメリカ人で、私たちの振る舞い方や子供たちの行動に恐れを感じているの。本当に、無礼さ、憎しみ、無知が蔓延してきているわ。
🙍🏻♂️ たぶんオーストラリア人だね。
👩🏻💼 黒人観光客についてだと思い込んでいるのはあなただけよ。
残念ながら、無礼な人は不足していないし、そういった行動は特定の民族グループに限られていないわ。
🙍🏻♂️ あの猿たちは日本の猿であって、黒人を表しているわけじゃないよ。日本では、電車内でルール、マナー、モラルを守らない人は、人種に関係なく野生動物なんだ。
🧑🏻 まず、猿のような行動を控えてください。その後で質疑応答を始めましょう。
それとも、黒人は猿のように行動するから差●しているんですか?
👨🏻💼 私は、この猿たちが黒人を表しているとは全く思わなかったよ。ただうるさい乗客として見ていただけさ。むしろ、なぜそう考えたのか心配だよ。
👨🏻💼 これは非常に興味深い投稿だね。日本人にとって、これは単なる日本の猿だけど、アメリカの白人にとっては黒人に見えるんだ。日本では、日本の猿が時々その生息地や都市部で人間と一緒にいたずらをすることは一般的に知られているよ。
👨🏻💼 これらの猿は、他人に迷惑をかけることを考えずに公共の場で自分勝手な行動をする人々を風刺しているんだ。そもそも黒人を標的にしているわけじゃないよ。
🙍🏻♂️ 政治的なものになっていって、最終的には日本は全ての黒人観光客の入国を禁止することになるだろうね。彼らがどこから来たかに関係なく。
👨🏻💼 そのポスターは編集されているよ。実際のポスターにはサッカーボールが描かれているんだ。
単に君が人種差別主義者だということを認めればいい。
コメントは以上になります。
ここでは紹介できない差●的なコメントは多々ありましたが、日本人の方々がそういう意図のものではなく、我々日本人もその対象だと伝えていましたので、外国の方々にも理解は深まったのかなと思われます。多くの方々がこのポスターを特定の人種や国籍を対象にしたものではなく、公共の場での行動を一般的に注意喚起するものだと受け止めていました。それでも一方で、「騒いでいる猿」を特定の人々を指していると解釈し、それを批判する意見も目立ちました。この反応は、見る側の文化や過去の経験に依存して解釈が分かれたようです。
また、ポスターが日本の文脈では風刺的な表現として使われていることを理解しつつも、そのメッセージが海外では誤解される可能性を指摘する声も見られました。さらに、「猿」という描写が黒人に対する侮辱的な表現だと過敏に受け止める意見や、それに対する反論がぶつかり合う形になっています。
中には、この問題をきっかけに「公共の場での行動を再考するべきだ」といった建設的な意見もありましたので、これをきっかけに良き方向に変わっていけばいいなと思いました。
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