南米の国ペルー。かつてインカ帝国の中心地として栄え、マチュピチュやナスカの地上絵など、世界的に有名な観光地を持つこの国には、日本との意外な共通点があります。それは――『ドラゴンボール』への深い愛!日本生まれのこのアニメが、なぜ地球の反対側にあるペルーでこれほどまでに愛されているのか。その理由を探るべく、『ドラゴンボール』公式サイトの取材チームが、在日ペルー大使館を訪れました!
今回お話を伺ったのは、ペルー大使館の二等書記官、フリオ・テノリオさん。1986年生まれの彼は、幼い頃からずっと『ドラゴンボール』を見続けてきた大のファン。これまでに放送されたアニメや映画はすべて観ていて、現在は2024年10月から放送されている『ドラゴンボールDAIMA』を楽しんでいるそうです。
ペルーにおける『ドラゴンボール』の人気について聞くと、1990年代にテレビ放送が始まって以来、30年以上もの間、国民に愛され続けているとのこと。ペルーでは、オリジナルシリーズから最新作まで、すべての『ドラゴンボール』作品が視聴されていて、世代を超えて受け継がれているんですね!
特に人気の理由のひとつが、放送スタイル。ペルーでは1996年頃から『ドラゴンボール』の放送がスタートし、日本とは異なり週1回ではなく、なんと平日毎日放送されていたんです!日本では1986年にスタートしましたが、ペルーでの放送は約10年遅れ。その頃にはすでに『ドラゴンボールZ』も終了していて、放送できるエピソードが大量にあったことから、毎日放送する形になったのではないかと言われています。ペルーでは、平日にアニメが連日放送されることが珍しくなく、子どもたちは学校から帰ると、毎日『ドラゴンボール』を楽しんでいたそうです!
当時、子どもたちにとって『ドラゴンボール』はただのアニメではなく、生活の一部。翌日学校に行くと、前日のエピソードの話題で盛り上がり、キャラクターの必殺技を真似しながら遊ぶのが当たり前の光景だったとか。日本と同じように、ペルーの子どもたちも“かめはめ波”や“魔貫光殺砲”のポーズを真似していたそうです。
ペルーの人々がこれほどまでに『ドラゴンボール』に夢中になった理由としては、キャラクターが成長していく姿や、迫力満点の戦闘シーン、そして子どもたちに向けた前向きなメッセージが大きな要因と考えられています。また、当時のペルーではテレビの規制がそれほど厳しくなく、戦闘シーンの流血表現や、主人公が死んでしまう場面などもそのまま放送されていました。それが視聴者に強い印象を与え、より作品に引き込まれたのですね!特に、ラディッツとの戦いで悟空が死ぬシーンは、多くの子どもたちに衝撃を与え、今でも鮮明に覚えている人が多いのだとか。ペルーでは、主人公が死ぬようなストーリーは珍しかったこともあり、強く印象に残ったようです。
そして、ペルーにおける『ドラゴンボール』人気を象徴するエピソードのひとつが、キャラクターの名前を子どもに付ける親がいること!ペルーでは、有名な歴史上の人物や人気キャラクターの名前を子どもに付ける文化があり、『ドラゴンボール』のキャラクターもその対象になっているんです。日本のニュースでも紹介されたように、ペルーには“ゴハン”という名前の子どもが292人、“ビーデル”が92人、“ジレン”が81人いることが報道されました。特にジレンは比較的新しいキャラクターですが、その圧倒的な強さが人気の理由のひとつになっているようですね。
また、“ゴハン”の名前をつける親の多くは、悟飯とともに成長してきた世代。キャラクターに対する思い入れが強いことに加えて、悟飯が学者としても戦士としても優秀なキャラクターであることから、子どもにもそんな風に育ってほしいという願いが込められているのかもしれません。一方で、“悟空”という名前の子どもは比較的少なく、最近のニュースでは7人の子どもが“悟空”と名付けられていることが報道されています。
さらに、『ドラゴンボール』のキャラクター名とペルーの言葉には、意外な共通点があるんです。例えば、悟空の妻“チチ”の名前は、ペルーのスペイン語では“女性の胸”を指す言葉。そのため、子ども向け番組としての配慮から、ラテンアメリカ版では“ミルク”という名前に変更されたんですね!ちなみに、日本語でも“チチ”には同じ意味があるので、偶然の一致とはいえ面白い共通点ですよね。
こうした文化の交流もあり、日本とペルーは長い歴史的なつながりを持っています。2023年には両国の外交関係樹立150周年を迎えました。ペルーには日本からの移民も多く、日本文化への関心が高い国のひとつ。そして、何より『ドラゴンボール』という共通の愛があることで、日本とペルーの人々は簡単に心を通わせることができるのかもしれません。
取材を通じて改めて実感したのは、国境を越えた『ドラゴンボール』の影響力の大きさ。ペルーの人々にとって『ドラゴンボール』は単なるアニメではなく、人生の一部として深く根付いているんですね!これからも、日本とペルーをつなぐ存在として、『ドラゴンボール』が多くのファンに愛され続けていくことは間違いなさそうです!
今回の取材はSNSでも紹介されており、海外から、特にペルーからコメントが多く寄せられていました。その一部をご紹介します。
海外の反応
👱♂️ ドラゴンボールは、数多の世代の幼き日々に刻まれた伝説だ。ありがとう、鳥山明。
👱♂️ ドラゴンボールは、私の人生において欠かせない存在だ。そして、ペルーの多くの人々にとっても同じ。🇵🇪🔥
👱♂️ ドラゴンボール、最高だ!ペルーをはじめ、ラテンアメリカの多くの国々で、幾世代にわたりその名を刻んでいる。
👱♂️ みんな、俺たちは皆、アニメの復活を待ち望んでいるんだ!
👱♂️ 私はペルー出身だ。まさに、その通りだ!
🧑 我々はドラゴンボールと、その巨匠鳥山明を心から愛している!
🙍🏾♂️ ブラジルからだけど、さらに愛しているぜ!
👱♂️ なんと、すごい…!🤩🤩🤩我が国でも、ドラゴンボールは絶大な人気を誇っていた。✨😊(日本育ちのペルー人)
👱♂️ 俺もこの熱狂に加わりたい!
👱♂️ いつでもだ!ドラゴンボールは単なるアニメではなく、世界が驚嘆する偉大な存在だ。😎
👱♂️ ドラゴンボールのおかげで、俺は軍隊に入隊し、恩恵を受けながら学問に励み、今、修士課程に挑んでいる。すべては、ゴクウのようになりたかったからだ!
👱♂️ ペルーはドラゴンボールをこよなく愛している。俺は一番のファンだ。リマより、心からのご挨拶を!🤍🤍
👱♂️ 本当にその通りだ。ここで、みんながドラゴンボールを見ながら育ってきたのだ。
👱♂️ 世界中がドラゴンボールを愛してやまないのに、どうしてペルーだけがこんな扱いを受けるんだ?笑
👱♂️ そして、メキシコこそが、ラテンアメリカで真に輝く存在だったんだ。🤣🤏
👱♂️ ペルー大使は、断然カッコいい!
👱♂️ 幼い頃、友と共に学校を飛び出し、ドラゴンボールの放映を待ち望んだ。翌日には、その話題で胸が熱くなった。今もなお、アニメやマンガ、そしてゲームの最新情報に心躍らされる。ペルーは、特にドラゴンボールへの情熱に溢れる国だ。
👱♂️ 全くその通りだ。ペルーでは、ドラゴンボールがただのアニメを超え、人生そのものとして愛されている。20年前、兄と共に夢中になったあの日々。2年前、兄を癌が奪ったが、ドラゴンボールの一話が彼の笑顔を蘇らせる。これは単なる娯楽ではなく、生き様そのものだ。多くのペルー人が、この想いを共有している。ありがとう、鳥山先生。
👱♂️ 行くぞ、ペルー!!
コメントは以上になります。
今回の取材を通じて、ペルーにおける『ドラゴンボール』の人気の高さが改めて明らかになりましたが、海外の反応を見ると、その熱量の大きさがさらに伝わってきますね。ペルーだけでなく、ラテンアメリカ全体で『ドラゴンボール』が深く愛されていることがよくわかります。子どもの頃に夢中になった作品が、大人になっても特別な存在であり続ける――そんな思いを共有している人が世界中にいることを感じられるコメントが多く寄せられていました。
また、『ドラゴンボール』がただのアニメではなく、人々の人生に大きな影響を与え続けていることも印象的でしたね。キャラクターの生き様に勇気をもらったり、作品を通じて家族や友人との思い出を作ったりと、それぞれの人生に深く根付いていることが伝わってきました。こうした熱い想いが、これからも『ドラゴンボール』を世界中で愛される作品にし続けていくのかもしれません。
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